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南西大陸の北西部を中心に、首都ロンダールと3つの地方を有する大帝国。
火のマナの力を利用した金属加工や機械製造が盛んで、かつては軍事大国として恐れられ大きな争いを引き起こしたこともあるが、現在は工業製品を世界中に輸出する産業国としてユリスガルド全土を牽引する役割を担っている。
首都であるロンダール周辺は赤茶けた荒野となっているが、これはマナの過剰利用の影響と噂されている。
ベルム帝国の中枢部であり、世界最大の都市。
都市そのものがひとつの地域として取り上げられるほどの規模で、ユリスガルドの全人口のおよそ3割がこの町に集中しているといわれる。
石畳で整えられた街区には魔石を利用した街灯が灯り、魔導四輪車と馬車が行き交っている。
工業地帯の排気の影響で空気はあまり綺麗ではなく、薄曇りの日も多い。住人にとっては慣れたものだ が、地方から来た人間は体調を崩しやすいようだ。
市街地の中心をうねるように流れる川。
川岸の議事堂に建てられた時計塔や塔型の巨大な跳ね橋は、有名なランドマークとしてデザイン等によく用いられている。
工業廃水などが(多少は浄化されているが)垂れ流されているため、水質はあまりよくない。
ベルム帝国を率いる皇帝ノルシュが座する宮殿。
王宮内には許可なく立ち入ることはできないが、周辺一帯が庭園として整備されており、市民の憩いの場となっている。
帝国が所蔵する歴史的史料が展示されている博物館。
実のところその多くはトライトなど他の国で発見されたものだが、最も優れた技術で保管できるという名目でひとところに集められたのだとか。
ロンダール市の外周東部に林立する、鉄の森と形容される大工業地帯。
様々な工業製品が魔石の力も利用して半自動的に製造されており、人間が行うのはそれらの魔導機械や施設のメンテナンスが中心である。
魔物は存在しないが魔導式の警備機械が巡回しており、一般人が不用意に立ち入る場所ではない。ただ、魔石の魔力が安定せず暴走した機械の停止依頼が冒険者向けに貼り出されることはある。
帝国南部、ベルクリフ峠を越えた先に広がる緑豊かな地域。
かつてはオルレインという王国だったが、200年ほど前にベルムに吸収され帝国領となった。
南西大陸の二大国を結ぶ通商街道の中間地点であり、商業都市のクインは旧王都を超える大都市として発展を遂げている。
首都ロンダールのように大気が汚染されていない一方でその恩恵を最大限に受けられ、また生息する魔物も比較的おとなしいため、ユリスガルドの住みやすい地域No.1の座に輝いているらしい。
帝国の南端、コスコール王国との国境に位置するこの地方一の大都市。
ベルムとトライト間の通商の拠点で、南西大陸の商会の多くはもちろん、冒険者ギルドやユリス教教会などの本部もこの街に集約されている。
冒険者デビューのため他所から訪れる者も多いが、商業が発達しているだけあってボッタクリ店舗も多いため店選びは慎重に行う必要がある。
かつてのオルレイン王国首都で、町の中央は小高い山になっておりその上に史跡として旧王城が残る。
首都の座を失ったとはいえ都市としては発展している方で、競争の激しいクインから離れるように移住してくる者も多い。
一部には復権派がまだ残っているとの噂が流れている。
オルレイン地方第3の都市。
ベルム鉄道のチェステ駅を中心に発展した町で、オルレインがベルム帝国領となってから誕生した町のため比較的歴史が浅い。
徒歩でベルクリフ峠を越えてロンダールに向かう冒険者たちの拠点にもなっているため、宿屋や食事処が多い。チェスティーヤと呼ばれる卵料理が名物。
オルレイン地方三都市に囲まれた広大な草原。
北部の山沿いには北オルレイン街道、南部の平野を横切る形で南オルレイン街道が通じており、南西大陸の新米冒険者の多くはここで腕を磨くこととなる。
帝国鉄道クイン線がオーレム方面に繋がる計画があったらしいが、諸々の理由で廃案となったという。
帝国北部のロンダール周辺から内海までを占める、ベルム帝国本来の領土。
活発に活動するメルギノ火山と広大な赤い荒野からなり、まだ緑が残る沿岸部を除いてお世辞にも住みよいとは言えない。
各都市間は鉄道で結ばれており、荒野を歩くのは物好きな冒険者か野盗団ぐらいである。
メルギノ火山のふもとに位置し、火山活動の定点調査を行うためにある町。
四方を強固な壁で覆った要塞都市といった風貌だが、これはあくまで火山間近であるための防御。
住人は付近に生息する羊の魔物の毛を用いた織物で生計を立てながら、比較的穏やかに暮らしている。
南部のオルレイン地方との境目、ベルクリフ峠の北口に隣接する都市。
オルレイン側から来た人間がメルギノの地に足を踏み入れる第一歩である以外に、特に目立った特徴のない町。市長は何かしら名産品を作りたがっており、鉄道の駅にはよく謎のグッズが並ぶ。
クインからの鉄道はこのフレストン駅でロンダール、メルギノ、ビスタベイの3方向に分かれる。
帝国で唯一の港町。
この町の周辺はメルギノ地方で珍しく豊かな緑が残っており、農地として活用されている。
港は主に物資の輸出入に使われており、民間の客船は意外と本数が少ない。
その一方、幽霊船が停泊していることがあるという噂が住民たちの間で囁かれている。
北部一帯に広がる乾燥した荒野。
赤茶けた土地には一部の乾燥に強い植物がまばらに生えるのみとなっており、いくつか存在する鉄道の駅を除いて人の営みの気配はない。
一方でロンダールの近郊にはイベント会場となっている場所があり、年に一度皇帝主催のもと開発者や技術者たちが集まって様々な兵器(その多くが珍兵器)をお披露目し、火力を競う催しが開かれる。
メルギノバレーの南西端、湾に面した岬に建てられた研究施設。
国内で製造される機械と世界各国から集められた知識や技術を最大限活用し、各地の地質調査から魔物の生態研究に至るまで様々な調査や実験が行われている。
帝国の認可を得なければそれらの実験は行えないものとされているが、たまに許可を待たないで乗り出すこともある。研究者たち曰く科学の発展は何ものにも優先される、らしい。
その名の通り、火山の灰を浴びながらもたくましく育つ針葉樹の木立。
そのまま火山道に繋がっているため多くの場合火山調査の際の通過点に過ぎないが、降り積もった灰が何らかの不思議な力によって透明で立体的なオブジェ状に固まっていることがあり、一部のコレクターが好んで集めているという。
帝国の最北にそびえる巨大活火山。
常に火と噴煙を吹き上げており、内部には広大な洞窟が広がっている。
高純度の魔力を含んだ溶岩は外気に触れても固まりにくい性質を持っており、内部はもちろん外周の火山道にも川のように流れ続けている。
その最奥部には火のマナを司る世界樹の根が伸びているといわれるが、溶岩流の壁に阻まれ生半可な冒険者では辿り着けないだろう。
帝国西部に突き出した半島の地域。
オルレインのようにかつては独立した国家だったが、400年ほど前に病の流行によって存亡の危機に立たされ、隣国のベルムに助けを求める形で併合されることとなった。
現在は南西大陸でもっとも外海に近い地域であることから、外海の調査を行う研究者や冒険者の拠点が築かれている。
400年前、恐ろしい病が蔓延し滅びた旧王都。
病の原因は当時栄えていた炭鉱に現れた魔物で、国民の実に半分が命を失ったといわれ、生き残った者も土地を捨てることを余儀なくされた。
やがて魔物は退治され病も根絶されたが住民は戻らず、炭鉱跡で採取できる珍しい素材目当ての冒険者がときおり訪れるのみとなっている。
ガラインの壊滅を免れた人々が新たに築いた町。
しかし王政を再興するほどの余力はなく、ベルム帝国の外縁都市のひとつとなっている。
ベルム研究所と外海の調査拠点を繋ぐ役割を担っており、それなりに活気が戻ってきているようだ。